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園だより 2022年12月号

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“黙々文化”をはぐくむ

持久走以来、登園する子どもたちに一つの変化が見られるようになりました。マリア様にご挨拶をしてお御堂でのお祈りが終り、クラスに入る前に園庭を何周も走るのです。まるで、先月の持久走が忘れられないかのようです。数人の場合もおしゃべりしたりしないで、黙々走る姿にはいつも感心します。

黙々といえば、クラスでのオシゴトの様子を見ると“黙々”という表現が一番ふさわしいと思うのです。どのオシゴトについても言えることですが、Aさんの地図のオシゴトの場合、とくにそう感じます。中でも、Y君の場合座っている姿しか見たことがないのです。

こうして原稿を書いているところに「アジアもできました」とファイルの束を抱えてやってきたのです。文字通り世界制覇を成し遂げたことになります。感動しました。本人の達成感の大きさは顔の表情で分かりました。思わず言いました。「わーすごい!よく頑張ったね!ご苦労様!」Y君も嬉しそうに「うん!」と頷きました。

園庭ジョギングといいクラスでのオシゴトといいこの黙々文化こそ白百合の子どもたちが身に着けて欲しいことだと思っています。“黙々”というと“努力”と続けたくなります。そして、肯定的評価が続くのが普通です。つまり、「だから信頼できる」となります。信頼という社会的評価は、いわゆるいい人生を送るためのパスポートみたいなものです。

モンテ教育のオシゴトはこの黙々文化を地で行くものです。それが実現するためには周りの環境がとても大事になります。できるだけ静かで落ち着いた雰囲気を作るということです。

ところで、「おうちモンテ」という言葉を聞いたことがあります。是非推奨したいのですが、ネットの記事を読むと、子ども目線での部屋の整理整頓や易しい教具の設置など有益な記事を読むことが出来ます。しかし、その通り始めるとしたらなかなか大変そうです。

私が言いたいのは、そういう外的環境もさることながら、保護者が作る人的環境のことです。これもなかなか大変なことだとは思いますが、「子どもは一度に一つのことしかできない」という大原則を大事にしながら接してくださると嬉しいです。つまり「大人のペースではなく、子どものペースを第一に」ということです。

そうすることで、クラスでの教師たちと同じように子どもに寄り添うことが実現すると思うからです。寄り添うことこそ“黙々文化”のカギだからです。

こうして、たとえ家庭環境は千差万別でも、子どもたちは幼稚園と家庭で基本的に同じ雰囲気に身を置くことになって黙々文化をはぐくむ環境が整うことになります。

年末になるにつれてせわしさが増すことでしょうが、なんとか家庭でのこうした人的環境が整えられることを心から祈ります。

よい年をお迎え下さい。(こ)

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